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広告のおシゴト③
広告スポンサー、広告媒体、広告会社の三角関係

「伝わる広告」に考える前に、広告スポンサー、広告媒体、広告会社の関係をみてみましょう。

左上にあるのが、自社の商品・サービスについて広告を出したいと考えている「広告スポンサー」企業です。
その右隣が、テレビ局、新聞社といった広告媒体を持っている会社、「広告媒体」企業です。
最後は、広告会社です。

広告の流れは、広告スポンサーが広告会社に広告を発注し、広告会社が広告媒体に広告を発注する、これが基本です。実は、ゼロではないものの、広告スポンサーが直接、広告媒体に広告を発注するケースはあまり聞きません。

なぜでしょうか。

野菜や魚もそうですが、産地直送で農家等から卸売や小売を通さずに、直接家庭に届くほうが安くて新鮮。広告も、わざわざ、広告会社を経由しないで、直接、広告スポンサーが広告媒体に発注すれば、安くて、スピーディーになるんじゃないか、と思いませんか。

でも、広告スポンサーが広告会社に広告を発注し、広告会社が広告媒体に広告を発注する、これが広告の流れの基本です。

なぜでしょうか。言い換えるなら、「広告会社はなにをやっているの?」ということです。

キャッチボールに少し、つきあってください。

そうですね。あなたが学習塾で塾講師のアルバイトをしている、としましょうか。
あなたは、塾長から、「もっと生徒を増やして、塾を大きくしたいんだけれど、どんな広告を出したらいいかな」と相談されました。さて、どう考えましょうか。

広告の対象になる商品・サービスはなんですか。
「塾です。というか、塾の教育サービスです」
消費者はだれですか。
「小中学生向けの塾なら、消費者は小中学生です」
購買者は?
「小中学生…違いますね。小中学生の親、保護者です」
そうですね。小中学生は「消費者」というより、「利用者」。お金を支払うのは、親、保護者ですよね。とすると、属性で言えば、30~40歳代の子育て層、といえるでしょうか。これが「商品特性」です。

広告を出すとき、まず、考えなければならないのは、広告の対象となる商品・サービスを誰が買うのか、という「商品特性」です。これを分析し、クリアにしておかないと、どういう広告を出したらいいか、定まりません。

では、この塾の広告は、30~40歳代の子育て層がメインターゲットです。この層に「伝わる広告」を選ぶ必要があります。なんでしょう。

「テレビCMは高いし、商圏が広くない塾なら、やりすぎかな。30~40歳代が一番触れるメディアは、ネット、SNSじゃないでしょうか。SNS広告を出すのがいいと思います」

新聞広告、新聞折込広告はどうですか。

「新聞を読む人は減っているし、年代ももっと上。30~40歳代で新聞読む人は、SNSを見ている人に比べて、ずいぶん少ないと思います。やっぱり、SNS広告ですよ」

なるほど。塾のSNS広告。ありでしょうね。でも、実は、塾業界は、新聞折込広告のお得意さまなんです。もちろん、SNS広告も出しているけれど、大量の新聞折込広告を継続的に利用しています。

「え? どうしてですか」

スキマの話、思い出してください。広告の媒体特性は、スキマにある広告の外側にあるメインディッシュ、メインコンテンツに左右される、という話でしたよね。SNS広告の外側にあるメインディッシュは「SNS」、新聞折込広告の外側にあるメインディッシュは「新聞(記事)」ですね。このふたつを比べたら、理由はわかるかもしれませんよ。

さて。
私たちは、必要な情報を、メディアを通じて入手しています。
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌・書籍、動画サイト、ブログ、SNSなどなど。世の中には、様々なメディアがあります。どのメディアを一番信頼しているんでしょうか。

年代を問わず、動画サイト、ブログ、SNSといったネットメディアに触れていない人はあまりいないのではないでしょうか。一方、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌・書籍といったマスメディアは、かつてに比べれば、ネットに押され気味です。勢いなら、ネットメディアでしょうね。

総務省が実施した「メディアに対する信頼」調査をみてみましょう(出典・総務省(2021)「ウィズコロナにおけるデジタル活用の実態と利用者意識の変化に関する調査研究」)。

調査によると、「信頼できる」は、新聞がもっとも高くて61.2%。
テレビ(53.8%)、ラジオ(50.9%)がこれ続きます。圧倒的に、マスメディアに対する信頼性が高いんです。

ネットメディアはどうでしょう。
SNSが「信頼できる」と回答したのはわずか27.5%。動画投稿サイト(31.0%)、ブログ(30.6%)。せいぜい、3割にとどまっています。非常に多くの人が利用しているものの、そもそも「信頼していない」のがSNSといえそうです。

スキマの話。
広告の媒体特性は、スキマにある広告の外側にあるメインディッシュ、メインコンテンツに左右される。
SNS広告と新聞折込広告。同じ塾の、同じ内容の広告であっても(デザインが同じであっても)、広告の外側にあるメインディッシュの「信頼度」がそのまま、SNS広告、新聞折込広告の「信頼度」に影響します。
平たく言えば、同じ塾の、同じ内容の広告であっても、SNS広告より、新聞折込広告のほうが、信頼度が高い、といえるわけです。
大切な子どもさんが通う塾を決めるとき、親、保護者はどちらの広告を信頼するでしょうか。
たしかに、SNS広告をみる30~40歳代子育て層は、新聞折込広告をみる30~40歳代子育て層よりも多いでしょうが、いくらたくさんの人が広告をみても、信頼しないのでは、広告効果は得られません。

余談ながら、SNS広告がいつも新聞折込広告に劣る、という話ではありません。今回取り上げた「塾」の商品特性を考えたとき、より大きな広告効果が期待できるのは、SNS広告よりも新聞折込広告だということです。商品が異なれば、結果はまた違ってきます。

これも広告の媒体特性です、スキマの話です。

「伝わる広告」の話でしたね。

広告の流れは、広告スポンサーが広告会社に広告を発注し、広告会社が広告媒体に広告を発注する、これが基本です。実は、ゼロではないものの、広告スポンサーが直接、広告媒体に広告を発注するケースはあまり聞きません。なぜだろう、言い換えるなら、「広告会社はなにをやっているの?」という話をしていました。

どうやって、消費者に「伝わる広告」をつくるか。
商品特性と、広告の媒体特性とをどう組み合わせて、最大限の広告効果を引き出すか。広告スポンサーは、商品特性は知り尽くしていますが、広告の媒体特性は熟知していません。スキマを知り尽くした広告会社がなければ、「伝わる広告」は作れません。

広告をつくる。
それはなにも、スタイリッシュなデザインや、クールな広告コピーを制作する「クリエイティブ」に限りません。アナログ、デジタル、様々な広告をどう組み合わせるか、それを企画、提案することもまた、スタイリッシュで、クールで、なによりもエキサイティングな広告のおシゴトなのです。

広告会社は、広告媒体の無限の組み合わせから、広告スポンサーの困りごとを解決するプロです。

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