たねまきコラム

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2023年10月31日
コラム

イオンタウン松原 〜帰ってきたダイエー&ハンズマン・巨大なヤシの木〜

 「イオンタウン松原」が10月9日グランドオープン(専門店街は9月21日先行オープン)した。大阪市の南端を東西に流れる大和川から南に約3.5km、国道309号線沿いに、イオンフードスタイル、ホームセンターのハンズマン、ウエルシア、西松屋、パレットの他にフードコートなど37店が揃う商業施設が見えてくる。イオンフードスタイルや専門店からなる棟とハンズマンの別棟は2階連絡通路で繋がる。店舗数は多くないが、敷地面積62,121㎡はイオンモールと比べても引けを取らない。

 

 核店舗のイオンフードスタイル松原店のオープンチラシには、「14年の時を経て、ダイエーが松原に戻って参りました!」と書かれていた。イオンフードスタイルはダイエーが運営しており、ここ数年でダイエーやグルメシティからイオンフードスタイルに店名を変更している。店舗数の増加に伴い認知度も高まっているのではないか。旧店舗と比べると新店舗の売場面積は564坪と狭くなったが、食品スーパーとしては十分な広さだ。

 このチラシには、もう一つ気になった記載があった。それは「冷凍dai革命」という「daiei」を彷彿させるようなキャッチコピーが書かれていたことだ。野菜や魚などは、通常通り販売している生鮮品と冷凍した同じ品も同価格で販売している。賞味期限は、生鮮品であれば2〜3日だが、高性能な急速冷凍技術で、美味しさをキープすることを可能にしたことにより3ヵ月〜1年長くなり、廃棄ロスの軽減に大きく貢献している。これらの冷凍品の販売を促すように、店内専用の保冷バッグも用意されている。メーカー各社の冷凍食品は当たり前のように販売されているが、生鮮品の冷凍品が違和感なく販売されるのも遠い話ではないかもしれない。

 

《商業施設の激戦地に攻めるダイエー》

 大和川以南は、「イオンモール堺北花田」「イオンモール堺鉄砲町」「イオン藤井寺ショッピングセンター」の大型商業施設に加え、2021年9月「ビバモール美原南インター」、2021年11月「セブンパーク天美」、2022年11月「ららぽーと堺」が次々にオープンしている。1km圏に食品スーパーは少ないが、商業施設として広域で商圏を捉えると競合店が多いエリアと言える。

 ダイエーは、昨年10月から3カ月連続で3店舗(寝屋川神田店・ソコラ塚口店・豊中庄内店)出店し、積極的に店舗を増やしている。そして、年内にもう1店舗、守口市役所跡地にイオンタウンがオープンを控えている。そこに入るイオンフードスタイルにも「冷凍dai革命」を導入するか後追いしてみたい。

 

《巨大ホームセンター ハンズマン誕生》

 イオンタウン専門店街のオープンから3週間後の10月12日には、本州初進出するホームセンターの「ハンズマン」が松原市にグランドオープンした。ハンズマンは、九州地方に11店舗営業しているホームセンターで、11年ぶりの新規出店に選んだのは大阪。松原店は九州の既存店と比較しても最も大きく、敷地面積19,000坪・売場面積6,000坪・28万品目(通常のホームセンターの3倍)という規模だ。「大人のテーマパーク」が売場コンセプトとだけあって、大人でも見てワクワクする売場だ。

 

 プレオープン初日の10月9日(月・祝)15時、入場規制のため国道309号線の入口は封鎖されていたが、側道の入口からなんとか入店できた。 テレビCMをやっているので、店内の想像はできていたが圧巻であった。ほとんどのホームセンターは、店外に園芸売場を設けていることが多いが、新店は店内1階の1/3ほど占めている。商品数が多く、ガーデニング好きな人に嬉しい店舗と言える。155万円の巨大なヤシの木や豪邸にありそうな噴水は198万円で販売している。施設中央部にある園芸売場は吹き抜けになっており、2階の吹き抜け部分はぐるっと回遊できるような造りになっている。ベンチも設置されているので、休憩しながら植物観賞もできる。1階は園芸の他に、石材・木材などの建材館と工具や塗料、作業服などから構成されている。

 2階は、日用品・文具・カー用品などを販売している。スタイリッシュな売場ではなく、一つの商品を何色も陳列してカラフルな売場という印象だ。顧客目線だと感じたのは、数種類のトイレットペーパーを触ることができ、肌触りを確認することができる点だ。他店でも見かけたことはあるが実践している店舗は少ない。一方で、ペット売場が無いことに驚いた。同じような大型ホームセンターには、フクロウやカピバラなんて珍しい動物を取り扱っている店舗もあるので当然あるものと期待していた。

 

《折込広告》

 関西では、認知度が低いので地域密着型の折込広告はインパクトがあった。10月7日にB2サイズ、10月11日にはB1サイズで折込広告を投函していた。掲載している商品は手書きイラストで、手の込んだ印象。先着1,000名様といった商品が複数あった。広い売場なので、柱に商品を展示して、どこに何が売っているか見つけやすいように工夫しており、商品自らがアピールしているように感じた。

 

《業界再編》

 ホームセンター業界は再編が進んでおり、業界の売上高の順位も変わった。それは、カインズが業界1位に浮上したことだ。カインズが、ハンズ(旧東急ハンズ)を買収したことも記憶に新しい。郊外型のカインズ、都市型のハンズと顧客層がバッティングしていないので、補完できる関係となった。カインズ、ハンズと店名とロゴカラーも似ていると感じたのは私だけだろうか。カインズは、メーカー品だけでなく、オリジナル商品が支持されている。最近は、8つのプロダクトブランド(CAINZ、Style、FiT、MAKE、IZM、PRO、Pet、CYCLE)を始動して顧客ニーズに合うような商品展開をしている。

 大阪のホームセンターと言えば、コーナンと答える人が多いだろう。大阪府下の店舗数が他のホームセンターと比較すると圧倒的に多く、近年は業者・職人向けのコーナンPROを積極的に出店している。

 大型店舗のビバホームは、ニトリとヤマダ電機との複合施設を積極的に展開し始め、2024年には茨木市に出店予定だ。他社もあの手この手と戦略を練っている。

 ハンズマンは、商品全体の7割が売れないとわかった上で陳列しているようだが、一部のニッチなニーズに応える為に販売している。あきんどの町、大阪人にどれだけ愛される店舗になるか、今後の動向を注視したい。

 

出典:イオンタウン(株)・(株)ダイエーニュースリリース、(株)ハンズマンホームページ

 

 

(智)

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