新型コロナの影響大きく 28.3%の減少
1、月別折込枚数と前年比の推移
関西地区における2020年上半期(1~6月)の折込広告出稿量(枚数)は前年同期比で28.3%のマイナスとなり、枚数は684.5枚減少した。
月別に見ると、3月中旬以降は新型コロナウイルスの感染者が増加傾向となり、各地方自治体から外出自粛要請もあって広告の出稿を見合わせる広告主が見
られた。4月7日には緊急事態宣言が発令され、5月25日に解除されるまでは、さらに減少幅が大きくなった。6月に入ると一部で回復する業種も見ら
れたが、第2波への不安がある中で全体的に出稿が戻るのは時間が必要と思われる。
2、地域ブロック別
すべてのブロックが前年を下回った。下げ幅が最も小さい「奈良」は26.0%減となり、2年ぶりに枚数が最多となった。下げ幅が最大の「神戸・阪神」
は30.1%減となり、2019年上半期の枚数トップを「奈良」に譲った。
「大阪北部」「大阪南部」「神戸・阪神」は8年連続、「奈良」は7年連続、「京滋」は4年連続の前年割れとなった。
3、主要業種別
プラス業種
紳士服は4年ぶりの増加
紳士服 +5.5%
マイナス業種
スポーツ用品・旅行は70%以上のマイナス
遊戯・娯楽、百貨店、ホームセンター、新車販売は半減
スポーツ用品 -82.9% 旅行 -71.0% 遊戯・娯楽 -57.9%
百貨店 -53.5% ホームセンター -53.0% 新車販売 -50.0%
マンション -47.7% 文化・カルチャー -46.7% 理美容 -43.7%
スーパー -33.5% 時計・眼鏡・貴金属 -33.2% 戸建て -30.4%
外食 -29.7% 求人企画 -23.7% 薬局・化粧品 -21.8%
家電 -21.4% 不動産仲介 -18.9% 特殊飲食料品 -14.3%
塾・予備校 -0.6%
業種別を見ると、プラスになったのは1業種のみ。
「紳士服」は5.5%の増加となり、4年ぶりに前年を上回った。
前年同期比で23業種がマイナスとなり、22業種が2ケタの減少。
下げ幅が最大の「スポーツ用品(-82.9%)」は2月以降の出稿が大幅に減少して2年連続の前年割れとなった。新型コロナウイルスの感染者増加で、
緊急事態宣言が発令された事で、計画していた旅行を中止する人が相次いだ「旅行(-71.0%)」と営業自粛要請の対象となった「「遊戯・娯楽(-57.9%)」「百貨店(-53.5%)」「ショッピングセンター(-47.1%)」は、4月と5月の出稿がほとんどなくなり、大幅な減少となった。
2020年1月以降は30%以上のマイナスが続いている「ホームセンター(-53.0%)」は2年ぶりに前年を下回った。また、不動産を見ると「マンション(-47.7%)」は供給戸数の減少もあって5割近いマイナスで12年連続の前年割れとなり、「戸建て(-30.4%)」は今期もマイナス基調から抜け出せず
12年連続で前年を下回った。「不動産仲介(-18.9%)」は前年と同様に20%近いマイナスとなり、9年連続の減少となった。
‘20年上半期は新車の登録台数が減少した「新車販売(-50.0%)」が、今期も減少傾向から抜け出せず6年連続で前年を下回った。小売業は、来店客が
集中するのを避けるために、折込広告の出稿を見合わせる広告主が増えて「衣料・身の回り品(-36.8%)」「スーパー(-33.5%)」「薬局・化粧品(-21.8%)」「家電(-21.4%)」などが減少となった。さらに「理美容(-43.7%)」は9年連続、「文化・カルチャー(46.7%)」と「特殊飲食料品(-14.3%)」は4年連続、「塾・予備校(-0.6%)」は2年連続で前年を下回った。
<付表>
■調査概要
読宣の月次出稿調査同様、大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良の各府県39地区78地点に設置したモニター宅に、2020年の1月から6月までの6ヵ月間に折り込まれたチラシを回収し、集計。