たねまきコラム

「ちらしの可能性を広げたい」
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2020年11月04日
コラム

ロピア 黒船襲来となるか

 ロピア?何それ?耳馴染みがないのも当然だ。2020年9月29日、ロピアはホームズ寝屋川店の1階に関西初進出を果たしたのだ。

 

 ロピアは1971年に肉の宝屋として創業以来、本社を構える神奈川県を中心に首都圏で店舗を展開してきた。同じく神奈川県に本社を置くオーケーと並んで首都圏で勢いのあるスーパーマーケットと評されるロピアは、そのルーツでもある精肉を柱に生鮮ディスカウンターとして急速に店舗を拡大し、ファンを獲得している。2020年2月期の売上高は1,595億円。2010年2月期の277億円から10年間で5倍以上の成長を遂げた同社は2024年度の売上高3,000億円を目標に順調に売上を伸ばしている。すでに首都圏では肉のロピアとして地位を確立しているが、関西の一般消費者にとってはほとんど無名に近い。今後を左右する、関西での重要な1号店の出店地として、ロピアは寝屋川市を選んだ。

 

 ロピアとは、ロープライスのユートピアを作ることを目標に生まれた会社である。(※ユートピア…楽しく感動していつも行きたいところ)

 

 

≪ロピアのモットー≫

同じ商品ならより安く

同じ価格ならよりよいものを

楽しく感動できる愛に満ち愛されるお店です。

※出典:ロピアのホームページ

 

 

 寝屋川市は大阪市の東部に位置し、東部丘陵地帯と西部平坦地帯の二つに大きく分けることができる。西部平坦部は、主に沖積層からなる海抜2~3mの平地で北河内の低湿地帯と呼ばれている。同市は南北に縦断するように京阪本線が走っており、寝屋川市駅や香里園駅の周辺には多くの商業施設が存在し、線路の東側の丘陵地は戸建て住宅がたくさん建ち並んでいる。

 第二京阪道路の開通以降は、沿線で計画的な街づくりが推進され、市の東側にある「寝屋南」周辺エリアは商業施設や戸建て住宅エリアが街開きした。また、JR学研都市線の寝屋川公園駅周辺は、土地の区画整理が行われ、新たな買い物施設や病院も建設中である。

 市政に関しては、年間通じて待機児童ゼロ、18歳までの医療費助成、全国トップクラスの英語教育等、子育てと教育に力を入れている。また交通アクセスも良く、京阪電車とJRで大阪や京都へアクセスでき、車移動では第二京阪道路を利用すると大阪市内や京都市内まで約30分である。

 

 ロピアが関西1号店に選んだホームズ寝屋川店は、国道170号線沿いにある2005年7月に開店したホームセンターである。1階は日用品・工具・ペット等の売場、2階は家具売場、3階・4階・屋上の3層は約1,300台の駐車場、売場面積は約26,000㎡という大型店舗だ。1階には三杉屋というスーパーが存在していたが、’19年1月に撤退した後に100円ショップのダイソーが開店した。その向かいにあったジョーシンが閉店してから半年後にロピアがオープンした。近年、1階と2階のテナントの入れ替わりが激しく、’19年11月にユニクロが撤退してからロピアがオープンするまでは少し寂しい感じがしていた。

 

 近隣の競合店を見ると、ホームズのすぐ北側に立地しているアル・プラザ香里園が最も競合すると思われる。約50店の専門店からなる大型店スーパーということもあり、家族連れで賑わっているイメージはあるが、ロピアのオープンに対抗して9月25日にリニューアルを行っている。他にも、500m圏にはサンディや業務スーパー等のディスカウントスーパーが存在する。

 母体となるホームセンターの競合店では、淀川の北側に2008年10月にカインズ高槻店(万代併設)、2011年6月にスーパービバホーム寝屋川店を核店舗としたビバモール寝屋川(フレンドマートのほか約45の専門店)の大型店が開店しており、両店とも自動車で10~15分ほどの距離にある。どちらも周辺の道路が渋滞するほどの人気だが、週末型の大型ホームセンターにはスーパーが併設していないと平日の集客は難しいのかもしれない。

 

 早速、オープン当日に店舗に行ってみた。10時開店であるが、10時40分に到着した時点ですでに建物の外まで来店客が並ぶほどの盛況ぶりであった。買い物カートは関西圏のスーパーではあまり見かけない100円投入して返却時に返金される仕組み。これは整理する人の人件費を抑える効果もあり、コストカットを意識した経営をしていると感じた。豚をモチーフにしたオリジナルキャラクター「ロピタ」に出迎えられて、いざ店内へ。入口すぐの場所に「八百物屋あづま」の野菜が色とりどりに陳列されていた。そして、「日本橋魚萬」の鮮魚、惣菜と進み、角には最も賑わっている精肉の売場がある。他のスーパーでは、見かけないようなブロック肉や大容量パック、しかも安く、種類も豊富でコストコを彷彿とさせた。売場面積は目算で2,000~2,500㎡ほどあると思うが、買物客が多くてその広さを感じられないほどであった。入店するまではディスカウントストアをイメージしていたが全く違った。蜂の巣入りのハチミツやこだわり商品も多数陳列していた。

 店内には、コロナ禍で見かけなくなった試食がたくさんあった。サーモン、肉、ソーセージ、ハム、厚焼きたまご、のり、にんにくぽんず、アップルパイ、チーズケーキ、冷凍ティラミスとバラエティーに富んでいたので、幼少期に戻った感覚でワクワクした。

レジは現金のみ、商品をスキャンしてくれる台数は13台、客自身が行う精算マシンは26台あったが、会計を終えるまでに30分以上かかる列もあった。

 オープン前にも販売していた1,000円の保冷バッグは、購入したら10月末まで使える1,000円分(200円・300円・500円)の買物券がもらえるので実質タダである。他にもオープンサービスとして、レジ袋が通常Lサイズ4円、Mサイズ2円、オードブル用3円で販売しているところ、10月4日までは1円で販売していた。

 

 そして、初めての週末となった10月3日(土)に再び来店してみた。オープン第2弾の折込広告の投函日で、朝一は混雑が予想されたので19時前に行ってみた。しかし、予想は甘く、時折入場制限をするほどの人の多さであった。

 続けて、10月25日にも行ってみたが、依然として店外にも列が続き、レジ待ちの列も長く終えるまでに20分はかかった。店内には、混雑回避のため折込広告はしていませんという貼り紙もあった。オープンしてから1ヵ月経っても、これほど賑わっているスーパーは見た事がない。ここまで混雑していると、高齢者やゆっくり買い物をしたい人には敬遠されるかもしれない。

 

 最後に折込広告を扱う弊社にとっては、商圏が気になるところである。商圏の分断要因となる淀川が店舗の北側に流れているので、基本商圏は淀川以南だろうが、これほどバラエティーに富んでおり、安く、大容量の商品を多数取り揃えている店舗であれば、淀川以北や以南の市外地域からでも来店が見込めそうだ。また、10月27日に尼崎島忠ホームズ店が開店し、冬にはホームズ鶴見店への出店を控えているので、今後も目が離せない。

 

                                      

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