たねまき

「ちらしの可能性を広げたい」
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2022年06月29日
フュージョン

コンテンツを育てる

 たまたま休みの日に「Amazonプライムビデオ」を観ていると、オススメに「SPY×FAMILY」(以下スパイファミリー)というアニメが出てきた。面白いという噂は各方面で耳にしていたので自分の中のハードルを高くしたまま1話目を視聴してみたら、これがもう自分の中で大ヒット。1話では飽き足りずその日のうちに、今アップされている全話を視聴し、それでも続きが知りたいので、連載されている「少年ジャンプ+」というアプリをダウンロードし、1週間で現在連載中の62話をイッキ見してしまった。

 

 話の内容は、冷戦状態の東国と西国を暗躍するスパイという設定のコードネーム「黄昏(たそがれ)」が任務を達成する為、孤児院の身寄りのない子・少女アーニャを養子にするところから物語はスタートするわけであるが、完全に別世界のフィクションであるため難しくなりがちな設定の説明が、最初の第1話で簡潔にまとまっていることに感動した。さらにジャンプのヒット作品の王道である「友情・努力・勝利」が随所にちりばめられているところは流石ジャンプといったところか。ちなみにこのスパイファミリーは、あの週刊少年ジャンプを発刊する集英社の漫画であるが、前述のとおり最新話は「少年ジャンプ+」というアプリで配信されており、週刊誌等では連載されていない。もちろん数か月後に単行本として紙媒体で発行されるが、最新話はアプリがないと読むことができない。

 

 さて、出版不況といわれて久しい。書店の数や新聞の発行部数は右肩下がりで減り続けているが、集英社にとっても例外ではなく、主力の「ジャンプ」の発行部数は全盛期の半分以下に激減してしまっている。それなのに集英社は2021年決算で過去最高の売上高や純利益を記録しており、特にデジタル分野や物販等利益率の高い売上高が好調に推移している。では具体的にデジタル分野や物販の売上をどのようにして伸ばしているのだろうか。

 

 実は「スパイファミリー」が配信されている「少年ジャンプ+」は、1回限り全話閲覧無料という仕様になっている。つまり、立ち読み感覚で漫画を読む分には無料、というわけだ。漫画を全話配信無料にするとはかなり思い切ったことをしているが、そうすることでファン化が促され、電子版のコミックスや単行本、グッズ販売等といった利益率の高い売上を伸ばしているのではないかと思われる。目先の売上を狙うのではなく、スパイファミリーというコンテンツをまずは知ってもらい、そこで面白さを感じてもらった上で囲い込む。WEBを駆使してコンテンツを大きく育てた上で長期的な利益を狙うという戦略が完成しているように感じた。

 

 経済産業省が監修している最新の「デジタルコンテンツ白書2021」では、ネットワークを通じたデジタルコンテンツ市場が、調査開始以来、最大規模を更新した。コロナ禍で市場規模は前年対比でマイナス成長になったものの、逆にコンテンツのネットワークシフトが進んでおり、今後も加速していく見通しである。いかに自社でコンテンツを持ち、WEB等を駆使して無料で消費者にアプローチし、ファン化した上でその先の利益を目指すのか。これは今後の日本企業の取り組むべき課題なのではないだろうか。BtoBであれBtoCであれモノを配っているだけでは、いずれは衰退していく。私たちもこの集英社の事例を参考にし、「友情・努力・勝利」で試行錯誤しながらコンテンツを育てていかなければ。

 

 

文責:中井孝亮

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