日傘男子という言葉を耳にするようになったのもここ数年ではないか。年々、日傘を差している男性を見かけることが増えた。
今年の梅雨明けは統計史上最速の6月28日。6月後半から特に暑く、熱中症による緊急搬送も増えた。この暑さに負け、6月26日に某大手通販サイトで日傘を初めて購入した。男性用日傘のバリエーションも増えており、購入時の在庫は十分にあったが、購入した商品は一週間後には完売していた。やはり、この暑さでカートに入れた人が多かったと言える。量販店でも同様に、今年は男性用日傘が売れていると店員さんは言っており、在庫も少なかった。
私が購入したのは、遮光100%カットの晴雨兼用の折り畳み式日傘だ。日光が直接頭に当たらないので汗をかく量も減った実感だ。暑さ指数(WBGT)が低減するという効果もあり、日陰を歩いているイメージだ。欲を言えば、傘の直径が広いと腕にあたる光量も遮られると感じた。
以前から、日傘=女性という世の中の風潮は時代遅れだと感じていた。この固定観念があると、日傘を差したくても周りの目を気にして使用できない男性は多いと思う。使い始めた頃は、日傘を差していると他者の視線が気になったが、数回使用していると気にもならなくなる。逆に今では、どうぞ見て下さいという感じだ。
固定観念・風潮が変化した例を挙げてみる。
・[眼鏡]=視力が悪い人がする。パソコン用ブルーライトカット眼鏡の誕生で考え方が一気に変わった。今では、ブルーライトカットの眼鏡がないとパソコンを使えないほどになってしまっている。
・[スーツ]=リュックNG。最近は、スーツでリュックを背負っている人をよく見かける。シワがいく難点はあるが、両手が空くので私もリュックを使用している。コロナ禍によるテレワークの普及により、ノートパソコンを持ち歩く人が増えた事もあり、リュック需要も増したと考える。
・[ランドセル]=背負うもの。ではなく、キャスターを付けて転がすという発想。あの小さい体に何冊も教科書を背負い込んでいたと思うと、振り返るとしんどかった思い出だ。それを当事者である小学生が中心となり、アイデアを出し企業とタッグを組み商品化したそうだ。
このような固定観念や風潮は頭をかたくするし、ちょっとしたきっかけでこれらは変わると考える。話は日傘に戻るが、メディア・SNSで男性有名人が「日傘男子」を発信したら一気に広まると感じている。弊社でも、そんな発信のお手伝いができればと日々模索しているし、ビジネスチャンスとも捉えている。男性だけではなく、通学時にも日傘を差している子どもも見かけるほどなので、老若男女問わず普及できるアイテムと言える。
日傘は、片手が塞がり荷物も増える、折り畳み式だと畳むのが面倒臭いといったマイナス面はあるが、熱中症対策、紫外線カットによる皮膚・頭皮への影響減などプラス要素を考えると使用する価値はあるのではないか。気象庁発表の平均気温は、過去100年で見ると変動はあるものの確実に上昇している。まだ2ヵ月以上は暑い日が続くので、まだ持っていない方はご検討を。
「日傘男子」は2013年に新語・流行語大賞にノミネートされていたが、大賞を受賞していなかった。「日傘男子」が広辞苑に載る未来も近いのでは…
智