9月16日、みのおキューズモールが無印良品を新たに迎えリニューアルオープンした。国道171号線と国道423号線(新御堂筋線)が交差する至近に位置する当施設は、シネコンやスポーツジムなどのWEST棟、食料品・日用品・家電量販店などのCENTER棟、専門量販店が集まったEAST棟からなる。敷地内には、小川が流れ、遊具のある広場には犬を連れている人も多く、買い物だけでなく、憩いの場にもなっている。2階案内所には、箕面大滝など市内の観光スポットを紹介する「箕面情報MAP みのお〜る」の大型パネルもあり、地域密着型の商業施設という印象を受けた。
CENTER棟の核となる食品スーパーは、カルフール箕面、イオン箕面店、イオンスタイル箕面と変遷を遂げ現在に至る。カルフール時に来店したことは無かったが、イオン箕面店の時代から専門店の入れ替えは繰り返されていた。商業施設名が、「箕面マーケットパーク ヴィソラ」から「キューズモール」へ変わり、ジョーシン(2020年5月)、今回の無印良品と大型店を誘致している。
さて、今回注目したいのは無印良品だ。スポーツDEPO(2022年2月閉店)跡地に、箕面市初出店を果たした。売場面積は約3,600㎡と、今年4月に開店した南千里アネックス店よりも狭いものの大型店舗のカテゴリーと言える。
みのおキューズモール店は、他の無印良品とは異なりキャンプ用品を押し出している。昨今のアウトドアブームと自然豊かな箕面市が相まって、キャンプグッズを西日本で初めて展開した。さらに「無印良品の小屋」は全国初の屋内展示。同施設は、ワンコ連れが多いこともあり、全国初となるペット同伴可能な店舗で、ペットシーツが装着できるレジカートが準備されている。
生鮮食品の取り扱いは無いが、他店では売り切れ必死の冷凍食品のキンパをはじめとする「のりまきシリーズ」は、来店時は豊富に陳列されていた。また、無印良品で私が初めて見かけた取り組みとしては、約100g約400円のお菓子の量り売り、そこには子どもの笑顔が見られた。
さらに、店内を見渡すと、肌着売場には2畳ほどの広さに枝のある綿が敷き詰められ、「綿はオーガニックコットンです。」という広告。肌にも良さそうな印象を持てた。本コーナーには、古紙になるはずだった絵本が税込100円から販売しており、SDGsに配慮している企業だと感じた。
無印良品と言えば、堺北花田(2018年3月開店・阪急北花田店跡地)や山科(2019年11月開店・大丸山科跡地)のように百貨店跡地に生鮮食品を扱う大型店の出店が相次いだ。両店は、百貨店時代を上回る客数と言っても過言ではないかもしれない。
そして、9月30日には500円以下の日用品や消耗品を中心に集めた新業態「無印良品500」を東京にオープンさせた。まず、2023年2月末までに都心部を中心に30店舗、その後年間20店舗ペースで出店を計画しているそうだ。「ムジラー」なんて言葉を耳にしてから約30年。100円均一ショップが今ほど盛んでない時代から、100円以下で文房具が購入できた無印良品は学生からも支持されていた。今月だけでも、大阪に2店、兵庫に3店出店予定と、まだまだ進化する無印良品から目を離せない。
参考資料 良品計画ホームページ
『みのおキューズモール 周辺環境』
開業が延期になっている北大阪急行への期待は大きく、2023年度末に千里中央駅から北へ2.5km延伸されると発着駅の箕面萱野駅(仮称)とキューズモールは直結する。この地域の住民が駅を利用する際は、阪急箕面駅や北千里駅、北大阪急行千里中央駅までバス等で迂回していたのが、開通後は梅田まで直通24分で利用できるようになる。当施設には自動車での来店が多く、週末型の店舗となっていたが、延伸後は曜日分散型の店舗となり、人流に変化が見られそうだ。
そして、もう一つ新設される箕面船場阪大前駅(仮称)付近には、2020年4月に大阪大学箕面キャンパスが開校し、市立船場図書館、市立文化芸能劇場も新たに建てられ、大型マンションの建設も進められている。
智