11月。 半年ぶりにネクタイに手を伸ばすこの時期、ちょうど1年前に扱った新聞折込チラシに視線を落とす。
イオン、洋服の青山、ドン.キホーテ、エディオン、関西スーパー・・・。
ふだんなら、購買力をかきたてる赤や発色のいい黄色が目立つチラシが、この時期は、「黒い」のだ。シックな黒基調のデザインに一変する。
理由は、ブラックフライデー。今年は11月25日。
米国で感謝祭(11月第4木曜日)翌日にあたる金曜日をいい、この日に年末商戦がスタートする。買い物客が殺到し、小売店が繁盛するため、「黒字の金曜日」になる、というのが由来だ。
国内では、2016年にイオンが先駆けたとされる。当初は11月末だけのイベントだったと記憶しているが、ここ数年は参加企業が広がり、売り出し期間も1週間程度に延びている。
ブラックフライデーと紙面に記載していなくても、黒基調のデザインが多く見受けられた。「黒い」チラシは、黒字成就の願いをかけた、縁起のいい配色というわけだ。
以下は、2021年に北摂の新聞販売店に折込されていた関連広告だ。
【折込日、広告主名、サイズ】
11月16日(火)折込
・ジャパン(B5) ・スギドラッグ(B5)
11月17日(水)折込
・カインズ(B3)
11月18日(木)折込
・フレッシュバザール(B4)
11月19日(金)折込
・イオン専門店街(B4) ・洋服の青山(B4)
・ケーズデンキ(B4) ・シュープラザ(B4)
・ドン.キホーテ(B3)
11月20日(土)折込
・エディオン(B4) ・AOKI(B4)
・auショップ(B3)
11月22日(月)折込
・関西スーパー(B2) ・サンドラッグ(B3)
11月24日(水)折込
・パレット(B4) ・サンドラッグ(B3)
11月26日(金)折込
・KOHYO(B3) ・しまむら(B4)
11月27日(土)折込
・AOKI(B4)
【2021年ブラックフライデー売り出し期間】
・ららぽーと11月11日〜28日
・イオン11月19日〜28日
・アマゾン11月26日〜12月2日
ところで、ブラックフライデーと聞いて、ここしばらく耳にしていなかったプレミアムフライデーのことを思い出した。2017年2月から始まり、毎月最後の金曜日に退社時間を早くして、個人消費を喚起するキャンペーンだ。アフターファイブを満喫しようみたいな企画で、始まった当初は量販店が大々的に企画を打ち出していた。政府と経済界が発信してスタートしたが、開始2年ほどで自然消滅した感があり、理想と現実が如実に現れたと言える。イベント・キャンペーンを定着させることの難しさを痛感した。しかし、ブラックフライデーは参加企業も増えているので、日本でも定着していきそうだ。物価高騰が叫ばれる昨今、セールという言葉が好きな人には、待ちに待った11月と言えそうだ。
智