来年4月に入社予定の学生諸君に、内定通知後の懇親会の席で、
次のような問題を出してみました。
8ドルで仕入れた商品を9ドルで売りました。
次に9ドルで売った商品を10ドルで買戻し、11ドルで売りました。
さて、儲けはいくらでしょう?
結果、以下の5つの答えが大半を占めました。
① 3ドルの儲け
② ±0
③ 2ドルの儲け
④ 1ドルの儲け
⑤ 2ドルの損
一見すると簡単そうに思える問題に、数種類の答えが返ってきたのです。
学校で提示される問題には、必ず明確な答えが用意されていますが、世の中に出ると、
何が正解なのかわからない問題に日々悩ませられます。むしろ、確かな答えなど存在しないという、
良い例かもしれません。
実はこの問題、かつてBMWの入社試験で出題されたものだそうです。
同社では、①②と答えた人は、論理的、数学的に間違っており、主観的で細かい点を見落とすタイプであるため不採用。
③と答えた人は、論理的、数学的に正しいけれど、消費者、あるいは投資家に向いていると見なされ、結果不採用。
④と答えた人は、経営コストの概念があり、補欠採用。そして、優先的に採用されたのは、8ドルの商品を11ドルで売れば、
3ドルの儲だけれど、しかし実際には、取引を繰り返すことによって1ドルしか儲かっていないので、2ドルの損という考え方をした、
⑤と答えた人たちだったようです。
物事を多角的に見て考えることも必要ですが、ひとりの考えには限界があります。多くの人の意見を持ち寄って検討することの大切さも、
忘れてはいけませんネ。そのためには、0ベース思考のできる素直さと、あきらめることを知らない忍耐が求められますが・・・。
W・M